この辺は治安が悪く、女子供しかいない家は空き巣同然と扱われ、野党が定期的に荒らしにくるらしい(定期的って何!?とかツッコミはニコラには通じなかった。)
そのせいで、今までの家政婦は皆死んでいた。何故この子供が無事だったかと言うと、
答えは簡単、念能力者だったからだ。
家の中は子供がいるとは思えないほど何も無く、広いリビングにはソファとテーブルがおいてあるだけだった。
ヒソカ(仮名)に全ての部屋を案内してもらったが、どの部屋も誇りっぽく家具がない、
ヒソカが使っている部屋にすらベッドが一つポツンと置いてあるだけであった。
その後、何も入っていない冷蔵庫の中をみて更に驚くことになる。
いったいどのように生活をしてきたのだろう。
ヒソカを連れて町に買い物に出たが、周りを歩く人々の人相を見て、顔を顰める。
治安が悪いと聞いていたのをすっかり失念していた。子連れの女なんて最高のカモじゃないか。
私はちらりとヒソカを見て、手を繋いだ。
家に置いていくことも考えたが、世話係が何人も死んでいるセキュリティのあまい家に彼を一人にさせておくことはできない。自分の近くにいてくれたほうが、見える分安心するし、
何かあった時に対処しやすい。
はできるだけ人通りの多そうな道を選び歩いた。
とりあえずの目標は、空っぽの冷蔵庫を満たすことだった。
八百屋で、野菜と果物を適当に選んでいるとヒソカに話しかけられた。
「それ、どうするの?」
「え?料理するんだけど?」
「が作るの?」
「あ、何か食べたいものある?」
そういうと、ヒソカは目を見開いた。その様子を見て、は肩を落とした。
「私こう見えて料理得意だよ?」
彼氏にもよく意外だと、言われていたのを思い出して苦笑する。
「ボクも、食べるの?」
「え?」
手に取ったほうれん草を落として、店主に睨まれるが、にとってはそんなことはどうでも良かった。
問題はこの男の子に果てしなく料理の腕を疑われていることだった。食べる前から、いや、料理を見せる前から、そんなことを言われるとは思っていなかった。
「できれば、食べて欲しいんだけど、いや、決して強制はしないよ?
でも、ほら試しに食べてみて?不味くないから」
「できあいの物を買った方が楽だよ」
「いや、あの栄養バランスが良くないし、・・・って、 ヒソカ、私の作った料理食べたくないの?」
はそういってから後悔した。
ヒソカの今までの世話係の中にはプロ級の腕を持つ人もいたかもしれない。それに慣れている彼が自分の料理を食べたいと思うだろうか?いや、思わない(反語)
けれど、ここで怯むわけにはいかないのだ。だって、今日からは私が彼の世話役なんだから!
はキャベツを2、3個掴んで、かごの中に入れた。
「ロールキャベツなら、プロ並みよ!安心して!」
鼻息を荒くして言うと、ヒソカが笑った。
「ありがとう」
ヒソカを見て、食べちゃいたいくらい可愛い!と思ったのは、私がショタコンだからじゃなく、
やっぱり彼が天使のように可愛いからなのだと思う。
その後、生活必需品、家具家電、新聞、本、お菓子等を金に糸目を付けず買い、家をもので溢れさせた。
ロールキャベツは、ちょっと崩れてしまったような気もしたが、
ヒソカは笑顔でおいしいといってくれたから、結果オーライ!
これからも、彼とは上手くやっていけそうで、胸を撫で下ろす私だった。